逢九必乱论再起:大紀元01月06日のヘッドライン

逢九必乱论再起 中国2019或面临大变局

中国の知識人たちが、今年の春節を祝う再会の時、密かに交わした言葉は、「逢九必乱」であった。この言葉は中国道教の「陽極生陰、陰極生陽」に由来している。
九という数字は陽数の中でも極数に属し、十は満盈(まんえい:十分に満ちること)を表す数である。物事が極まれば必ず逆の方向に転じ(水が満ちればこぼれ)、人や世の中が栄えて絶頂を極めれば必ず衰退する、というのが元々の意味である。
2019年を迎える春節にこの言葉が囁かれる理由は、中国でこの数十年間、「九=9」が付く年に深刻な大事件が起きたからである。

中国動向分析⇒【討論】
中国(習近平)が今狙っているもの[桜H31/2/16]より

1949年、中国共産党が政権を奪い、中華民国政府が台湾に移った。
1959年、反中国共産党のチベット蜂起が発生した。中国当局が軍を投入し、鎮圧にあたった。一部の報道では、当時8万以上のチベット人住民が死傷した。このときチベット政府の首脳であるダライ・ラマ14世と一部の高官がインドに亡命した。中国国内では1958年から施行した農業と工業の大増産政策「大躍進政策」によって大飢饉が起き、1959年の餓死者は3千万人だったとみられる。
1969年3月、中国当局とソ連が国境のウスリー川の中州であるダマンスキー島(中国語名は珍宝島)の領有権をめぐって、大規模な軍事衝突をした。1969年8月、中ソ両軍はまた、新疆ウイグル自治区タルバガタイ地区チャガントカイ県テレクチ(現在、中国とカザフスタンの国境)で武力衝突を起こした。
1979年2月17日、中国当局がベトナムに対して宣戦布告し、中越戦争が勃発した。中国当局の公表によると、1979年3月に終わったこの戦争では、中国軍死亡者が6954人、負傷者が約1万4800人であった。
1989年6月、中国当局は、民主化を求める学生と市民に対して、戦車や装甲車などを出動させ、軍による武力鎮圧を実行した。「天安門事件」とよばれるこの事件は中国ではなかったことになっている。2014年米ホワイトハウスが解禁した機密文書によると、死傷者数は4万人に上った。
1999年7月中国当局は、「真・善・忍」を理念とする伝統気功、法輪功学習者への弾圧政策を始めた。当局は、学習者に対して法輪功の修煉をやめさせるために、拘束、禁錮刑、拷問、薬物注射、さらに強制臓器摘出とさまざまな迫害手段を用いた。この弾圧はいまだに続いている。法輪功情報サイト「明慧網」によると2018年、全国で当局に禁錮刑を言い渡された法輪功学習者は933人いる(うち99人が65歳以上の年配者だという)。
2009年7月5日、新疆ウイグル自治区、ウルムチで大規模な暴動「2009年ウイグル騒乱」が起きた。その数日前、南部広東省のおもちゃ工場で、漢民族の従業員がウイグル人従業員を殴り殺したことを引き金に、ウルムチ市でウイグル人によるデモが行われ、漢民族の住民とウイグル人の住民が衝突した。中国当局は武装警察部隊を派遣し、ウイグル人を武力鎮圧した。当局の発表では、暴動で200人が死亡、1700人以上負傷した。
中国当局はこれ以降、ウイグル人社会への監視・弾圧を強化した。2018年の時点で「再教育」の名目で拘束されたウイグル人は100万にのぼると報じられている(直近の中国の動きはチャンネル桜の討論番組でも語られている↘)。

中国住宅2019年1月販売額、前年同月比3割超減少

台湾(あるいは尖閣諸島)有事、習近平氏の失脚(あるいは暗殺)等々、大事件を誘発する危険の口火がちまたに溢れ、それらの口火が導火線を走る現実味を帯びている。その中でも私たちの生活に直結する危険が、中国経済のハードランニングである。
90年前の九の年(1929年)には、ウォール街の株価下落が世界大恐慌の口火を切り、その余波が第二次世界大戦を引き起こし歴史が急旋回した(日本は敗戦を向かえた)。
もし中国経済ハードランディングが現実となれば、90年前に匹敵する世界大恐慌を誘発して、世界が再び大混乱に巻き込まれるのではと私自身は心配している。

実際、中国資源大手である上海華信国際集団では2018年に計280億元の支払いが滞った。このような中国企業の社債が、2018年に1200億元(約2兆円)を超える債務不履行に陥った。この額は過去最悪だった2016年の3倍となっている。これらの社債を組み込んだ金融商品が元本割れとなり、影響が広く中国全体に及んでいる。
一方、世界の上場企業が抱える有利子負債は2017年度で18兆ドル(約2000兆円)とリーマン・ショック前の2007年度に比べ81%増えた(QUICK・ファクトセット調べ)。このうち中国企業の借金が2.5兆ドルとなり6倍超の増加になった。中国住宅大手4社の2019年1月の販売額は前年同月に比べ3割超も減少した。万科の1月の販売額は488億元(8千億円弱)と28%減少、碧桂園控股が330億元と半減、中国恒大集団は33%減の431億元にとどまった。融創中国控股は8%増えたが、2018年通年の27%増から大きく鈍化している。

2010年に上海万博が終わった後、中国経済はいつ破綻してもおかしくないと個人的には思っていた(この9年間、中国初世界恐慌を恐れウオッチしてきた足あとがこのブログのマネーマーケットの大半を埋めている☞例えば、2012年6月10日の記載参照)。ところが現実は、2019年2月現在、中国経済は温家宝、習近平と引き継がれた共産党独裁体制のかじ取りで、曲りなりに平穏を維持している。
先送りすればするほど爆発のエネルギーが蓄積されるバブル経済は、果たしてどのような形で終焉を向かえるのだろうか。

2019年、中国事情に関しこれまでと違った変化が日本の日常に見られる。
昨年まで春節に日本を訪れた中国人の多くは、爆買いした製品を中国に持ち帰っていた。ところが、今年は爆買いする中国人は限られていた。
一方で2019年になって目立つのは、日本に出かせぎに来ていた中国人が、稼いだお金を持って里帰りしたり、中国に送金する動きである。中国当局が金融引き締めに動いているために、明らかに中国ではお金の流れが目詰まりを起こしている。